2026年10月1日のカスハラ対策義務化を前に、東京都は防止対策に取り組む企業への奨励金(定額40万円)を用意しています。ただし「マニュアルを作れば40万円」ではありません。この記事では、対象・要件・スケジュールの全体像と、どこまでを書式の整備でカバーでき、どこからが追加の措置なのかを分けて整理します。根拠は東京都(TOKYOはたらくネット)の公表情報です。
奨励金の概要(対象と金額)
正式には東京都の「カスタマーハラスメント防止対策推進事業」による奨励金で、金額は定額40万円です。対象は都内の中堅・中小企業等(常時雇用する労働者が300人以下)とされています。東京都は2025年4月1日に全国初のカスタマー・ハラスメント防止条例を施行しており、奨励金はその実効性を高めるための支援策です。
制度の一次情報はTOKYOはたらくネット「カスタマーハラスメント防止対策」にまとまっています。募集要項・様式はここから辿れます。
要件は「マニュアル整備」+「追加の措置」
都の案内では、奨励金の主な要件は次の2段構えです。
- カスタマーハラスメント対策マニュアルの作成(基本方針・対応手順などの文書整備)
- 実践的な防止対策の実施(次のいずれか)
- 録音・録画環境の整備(通話録音、店舗カメラ等)
- AIを活用したシステム等の導入
- 外部人材の活用
つまり書式(マニュアル・方針・研修資料)の整備だけでは要件の全部は満たせません。自社がどの追加措置を選ぶかを先に決めてから準備を始めると、二度手間になりません。
取組2(AIシステム)と第2回について
令和8年度第1回の募集要項では、取組2「AIを活用したシステム等の導入」は、契約期間が6か月以上であること、パンフレットや公式ページで「AIが活用されていること」と「カスハラ対策に利用できること」の両方が確認できること、が条件です。就業規則AIの記録月額は記録の器であり、いつでも解約できるため、契約期間の要件を自動では満たしません。該当は要項と自社の使い方で判断してください。令和8年度第2回の要項は、2026年8月20日時点で未公表です(東京都奨励金特設サイトは「詳細が決まり次第」と案内しています)。
2026年度のスケジュール
2026年度は複数回の募集が予定されており、公表情報では第1回の事前エントリーは2026年6月25日〜7月9日で受付が終了しています(受付2,500件・超過時は抽選)。以降の回の日程・要件は変わり得るため、都の公式ページの最新の募集要項が確定情報です。
書式で準備できる範囲(対応表)
| 奨励金の要件 | 書式・文書で準備できるか |
|---|---|
| 対策マニュアルの作成(基本方針・対応手順) | できる。基本方針・対応マニュアル・就業規則規定例・相談窓口様式・記録シートの整備 |
| 従業員への周知・研修 | できる。研修原稿・確認テストの実施と実施記録 |
| 録音・録画環境の整備 | できない。通話録音サービスや店舗カメラ等の導入が必要 |
| AIを活用したシステム等の導入 | できない。該当システムの契約・導入が必要 |
| 外部人材の活用 | できない。外部窓口・専門家等との契約が必要 |
「できる」側の書式一式は、当サイトの基本方針・マニュアルの作り方と就業規則の規定例を使えば無料で自作できます。時間がない場合の選択肢として、そのまま使える形に整えた書式集を用意しています。
厚生労働省指針が求める措置は10個で、就業規則の条文で足りるのは一部です。自社に足りない措置を確認する(無料・登録不要)。
カスハラ対策の義務化(2026年10月1日施行)まで あと少しです。
よくある質問
奨励金の申請を代行してもらえますか?
当サイトは一般的な情報提供と文書ひな形の提供のみを行っており、奨励金の申請書類の作成代行・提出代行は行いません。申請手続の代行が必要な場合は、行政書士など資格を持つ専門家にご相談ください。
都外の企業でも使えますか?
この奨励金は東京都の制度で、対象は都内の中堅・中小企業等です。他の自治体でも同種の支援策が始まる可能性があるため、所在地の自治体の労働関連ページを確認してください。なお2026年10月1日からのカスハラ対策義務化は全国のすべての事業主が対象です。
義務化対応と奨励金対応は別の準備が必要ですか?
重なる部分が大きいです。義務化で求められる方針の明確化・相談体制・対応手順・研修は、奨励金のマニュアル整備要件とほぼ共通です。義務化対応の書式を先に整え、奨励金では追加措置(録音環境等)を上乗せする順序が効率的です。
この記事の根拠(一次情報)
- 東京都 TOKYOはたらくネット「カスタマーハラスメント防止対策」(奨励金の対象・要件・募集案内)
- 東京都「カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアル」(条例〔2025年4月1日施行〕にもとづく無料マニュアル)
- 厚生労働省リーフレット「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」(PDF)(2026年10月1日施行の義務化について事業主向けに整理した一次情報)
- カスハラ対策の義務化はいつから?(当サイト)(2026年10月1日施行の根拠条文・政令の整理)
本ページは情報提供目的です。制度の内容は変更されることがあります。申請にあたっては必ず東京都の最新の募集要項を確認してください。
自社の就業規則ファイルを置くと、カスハラ条文の有無など書いてあることと書いてないことが1枚になります。就業規則のファイルを置く(無料)