最終確認日:2026年7月9日(タイミング・方法・伝えるべき内容を厚生労働省の一次情報で確認)
個別周知・意向確認は、対象者が発生するたびに実施する必要がある手続きです。育児介護休業法改正まとめで触れたとおり、このタイミングは1つではなく複数あるため、担当者間で対応漏れが起きやすいところです。まずタイミングを一覧で押さえます。
個別周知・意向確認が必要になる5つのタイミング
| タイミング | 内容 | 新設/既存 |
|---|---|---|
| 本人または配偶者の妊娠・出産等の申出時 | 育児休業制度等の周知と休業取得意向の確認 | 既存(2022年4月〜) |
| 子が1歳11か月に達する日の翌々日〜2歳11か月に達する日の翌日まで | 柔軟な働き方を実現するための措置に関する周知と利用意向の確認 | 新設(2025年10月〜) |
| 妊娠・出産等の申出時、または子が3歳になるまでの間 | 勤務時間帯・勤務地・両立支援制度の利用期間等についての個別の意向聴取と配慮 | 新設(2025年10月〜) |
| 労働者が介護に直面した旨を申し出たとき | 介護休業制度等の周知と、休業取得・介護両立支援制度等の利用意向の確認 | 新設(2025年4月〜) |
| 労働者が40歳に達する日の属する年度、または40歳に達する日の翌日から1年間 | 介護休業制度等に関する情報提供(会社が2つの時期のどちらかを選べる) | 新設(2025年4月〜) |
5つのうち3つ(柔軟な働き方関連の周知・意向聴取・介護の周知)は今回の改正で新設されたものです。すでに運用している妊娠・出産等申出時の周知と混同しないよう、対象タイミングごとに分けて管理する必要があります。
認められている方法
個別周知・意向確認は、面談(オンライン面談も可)、書面の交付、ファックス、電子メール等のいずれかの方法で行います。ファックスや電子メールは、労働者が希望した場合に利用できる方法とされています。原則として面談か書面交付を軸にし、労働者から希望があればファックスや電子メールにも対応できる体制にしておくと、実務上は運用しやすくなります。
妊娠・出産等申出時に伝える4項目(既存の周知)
2022年から義務化されている妊娠・出産等申出時の周知では、次の4項目を伝える必要があります。今回の改正でこの4項目自体は変わっていません。
- 育児休業・産後パパ育休に関する制度の内容
- 育児休業・産後パパ育休の申出先
- 育児休業給付に関すること
- 労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い
柔軟な働き方関連の周知で伝えること
新設された柔軟な働き方関連の個別周知・意向確認では、会社が選んだ2つ以上の措置について、対象者に内容を伝え、利用意向を確認します。一次情報に伝達項目の呼称までは明記されていないため、実務上は次の内容を漏れなく伝えることを想定して準備します。
- 会社が選定した措置の具体的な内容(例:始業時刻の変更・テレワークの利用可能日数など)
- 対象となる労働者の範囲と、対象期間(3歳〜小学校就学の始期まで)
- 利用を希望する場合の申出先・申出方法・申出の期限
- 措置を利用した場合の勤務条件(勤務時間・賃金の扱いなど)の変化
面談メモ・確認書の骨子
個別周知・意向確認を実施した記録は、後から「言った・言わない」のトラブルを避けるために書面等で残しておくことが望ましいとされています。面談メモや確認書に最低限含めておきたい項目は次のとおりです。
- 実施日・実施方法
- 面談/書面交付/ファックス/電子メールのいずれか
- 対象者
- 氏名・所属・該当するタイミング(妊娠出産申出時/3歳になるまで/介護に直面した申出時/40歳到達時など)
- 周知した内容
- 伝えた制度・措置の一覧(該当するタイミングの周知項目に沿って記載)
- 本人の利用意向
- 利用する/利用しない/検討中のいずれか
- 希望する具体的な措置・時期
- 柔軟な働き方の措置であれば希望する措置、休業であれば希望する取得時期など
- 記録者・確認者
- 実施した担当者名
- 備考
- 配慮が必要な事項、次回フォローの予定など
よくある質問
個別周知・意向確認はどんな方法で行えばいいですか?
面談(オンライン面談も可)、書面の交付、ファックス、電子メール等のいずれかの方法です。ファックスや電子メールは労働者が希望した場合に限られます。
3歳になるまでの個別周知・意向確認は、いつまでに行えばいいですか?
子が1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日までの間に行います。この期間に柔軟な働き方を実現するための措置に関する事項を周知し、利用意向を確認します。
介護の個別周知・意向確認はいつ行いますか?
労働者本人が介護に直面した旨を申し出たタイミングで行います。あわせて40歳到達時に、2つの時期のいずれかを選んで介護休業制度等の情報提供を行う必要があります。
妊娠・出産等申出時の周知内容と、10月施行の周知内容は同じですか?
別の周知です。妊娠・出産等申出時の周知は2022年から義務化されている既存の措置で、制度内容・申出先・給付・社会保険料の4項目を伝えます。今回新設されたのは、3歳になるまでの柔軟な働き方関連の周知・意向確認と、意向聴取・配慮の2つです。
- 厚生労働省 育児休業制度特設サイト「柔軟な働き方を実現するための措置」(3歳になるまでの個別周知・意向確認の時期)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/flexiblework/ - 厚生労働省 育児休業制度特設サイト「法改正のポイント」(新設される周知・意向確認の一覧)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/law-amendment/ - 厚生労働省 和歌山労働局「個別の制度周知・休業取得意向確認と雇用環境整備の措置等」(介護の個別周知・40歳情報提供の時期・方法)
https://jsite.mhlw.go.jp/wakayama-roudoukyoku/newpage_00634.html
タイミング・認められる方法・妊娠出産等申出時の既存4項目は上記の一次情報にもとづいています。「柔軟な働き方関連の周知で伝えること」「面談メモ・確認書の骨子」は、当サイトが実務上の観点で整理したものであり、法令が定める様式そのものではありません。
※本ページでは制度の一般的な仕組みをまとめています。制度の詳細や個別の事業所への当てはめは、施行に向けた続報や個別の事情によって変わることがあります。最新の正確な情報は、厚生労働省・都道府県労働局にご確認ください。個別の相談対応や書類作成の代行(社会保険労務士業務)は行っていません。