📊 数値早見表

2026年施行 労務・社会保険の
制度改正 数値早見表

2026年に施行される労務関連の制度改正の施行日と数値を、官公庁の一次情報だけを根拠に1枚に整理しました。各数値に出典と確認日を併記しています。

最終確認日:2026年7月9日(すべての出典URLと数値を当日確認)

2026年は、4月・7月・10月と施行が続く年です。カスハラ対策の義務化、いわゆる106万円の壁(賃金要件)の撤廃予定、障害者法定雇用率の引き上げ、子ども・子育て支援金の徴収開始と、中小企業の実務に響く改正が集中しています。このページは、散らばりがちな施行日と確定数値を、官公庁の一次情報で裏取りできたものだけ集めた早見表です。

2026年の施行スケジュール一覧

施行日改正内容主な数値・対象出典
2026年4月1日 子ども・子育て支援金の徴収開始 被用者保険は2026年4月分の保険料から(5月の給与天引きから)。2026年度の支援金率は一律0.23%・支援金額の半分は事業主負担 [10]
2026年4月1日 改正女性活躍推進法の施行 男女間賃金差異の公表義務が従業員301人以上から101人以上へ拡大。女性管理職比率の公表も101人以上に義務化(100人以下は努力義務) [12]
2026年7月1日 障害者法定雇用率の引き上げ 民間企業 2.5% → 2.7%。障害者雇用義務の対象は従業員40.0人以上 → 37.5人以上へ拡大 [11]
2026年10月1日 カスタマーハラスメント対策の義務化 労働者を雇用するすべての事業主が対象。中小企業の猶予なし。実務は指針(令和8年厚生労働省告示第51号)の10の措置 [1][4]
2026年10月1日 求職者等へのセクシュアルハラスメント対策の義務化 採用面接・インターンシップなど、求職者と従業員が接する場面が対象(男女雇用機会均等法の改正・カスハラと同じ改正法) [3]
2026年10月(予定) 社会保険の賃金要件(いわゆる106万円の壁)の撤廃 所定内賃金「月額8.8万円以上」の要件を撤廃予定。週20時間以上・学生でないこと等の要件は残る [5][6]

※出典番号は記事末尾の一覧(官公庁URL・確認日つき)に対応しています。

106万円の壁:2026年10月に賃金要件が撤廃予定

短時間労働者が勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する要件は、現在5つあります。このうち賃金要件だけが、令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号・2025年6月13日成立)にもとづき2026年10月に撤廃される予定です。全都道府県で令和7年度の地域別最低賃金が時給1,016円を超え、週20時間働けば月額賃金が自動的に8.8万円以上になることが前提とされています。5つの要件の中身は106万円の壁「撤廃」とは|いつから撤廃?で詳しく解説しています。

加入要件2026年10月以降(予定)
① 週の所定労働時間が20時間以上残る
② 所定内賃金が月額8.8万円以上(賃金要件)撤廃予定(2026年10月)
③ 継続して2か月を超えて使用される見込みがあること残る
④ 勤務先の従業員数(厚生年金の被保険者数)が51人以上(企業規模要件)残る(下表のとおり2027年10月から段階的に縮小)
⑤ 学生でないこと残る

※撤廃後も残る「週20時間の壁」の詳しい条件(残業で一時的に超えた場合の扱いなど)は週20時間の壁は残る|撤廃後もパートの社保加入を分ける条件で解説しています。

企業規模要件(51人以上)の段階的な縮小・撤廃スケジュール

時期対象となる企業規模
現在(2026年)従業員51人以上
2027年(令和9年)10月から従業員36人以上
2029年(令和11年)10月から従業員21人以上
2032年(令和14年)10月から従業員11人以上
2035年(令和17年)10月から従業員10人以下も対象(要件撤廃)
「106万円の壁がなくなる」と「51人未満の会社にも広がる」は別のスケジュールです。2026年10月に変わる(予定)のは賃金要件だけで、企業規模要件の縮小は2027年10月に始まります。また、家族の扶養に入れるかどうかの130万円の壁(被扶養者認定の目安)は、この改正の対象ではなく残ります。現在のルールの全体像は106万・130万の壁の解説ガイドを、自分の働き方での判定は社会保険シミュレーターをどうぞ。会社側の対応手順(保険料の試算・社内アナウンスの進め方)は会社側の対応手順ガイドにまとめています。

このほか、家族の扶養に入れるかどうかの130万円の壁との関係、従業員から「社保に入りたくない」と言われたときの説明の仕方、会社側の加入手続きチェックリストを、それぞれ個別の記事にまとめています。

カスハラ対策義務化(2026年10月1日)の確定情報

項目内容
施行日2026年(令和8年)10月1日(施行期日を定める政令:令和8年政令第17号)
根拠法改正労働施策総合推進法(令和7年法律第63号・2025年6月11日公布)33条
義務の主体労働者を雇用するすべての事業主(企業規模を問わない・中小企業の猶予なし)
実務の拠り所厚生労働省の指針(令和8年厚生労働省告示第51号)が定める10の措置
罰則措置義務違反への刑事罰はなし。助言・指導・勧告の対象となり、勧告に従わない場合は企業名公表があり得る(改正後42条)。報告をしない・虚偽報告は20万円以下の過料(同45条・51条)

カスハラの定義(3要素)や、企業が講じなければならない10の措置の中身、中小企業がまず手を付ける順番は、親記事のカスハラ対策義務化の全体像ガイドで条文ベースに解説しています。なお、同じ改正法により、同日から求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策も義務化されます。

カスハラ対策の実務は、基本方針・対応マニュアルの作り方就業規則・社内規程への書き方相談窓口の作り方(小さい会社向け)発生時の初動フロー正当なクレームとの線引きに分けて解説しています。

障害者法定雇用率:2026年7月1日から2.7%

時期民間企業の法定雇用率雇用義務の対象事業主
令和5年度2.3%従業員43.5人以上
2024年(令和6年)4月から2.5%従業員40.0人以上
2026年(令和8年)7月から2.7%従業員37.5人以上

従業員37.5人以上の会社は、障害者を1人以上雇用する義務の対象になります。今回の引き上げで初めて対象に入る規模の会社は、ハローワークへの雇用状況報告など実務の準備が要ります。

子ども・子育て支援金:2026年4月分から徴収開始

項目内容
徴収開始被用者保険は2026年(令和8年)4月分の保険料から(5月の給与天引きから)。国民健康保険・後期高齢者医療制度も令和8年4月分から(徴収時期は市町村による)
支援金率(2026年度)被用者保険で一律0.23%
負担支援金額の半分は事業主負担(労使折半)
徴収方法医療保険料と併せて徴収(給与天引き)

給与計算の実務では、2026年5月支給分の給与から控除項目が1つ増える形になります(当月徴収の会社は4月から)。従業員から「この控除は何か」と聞かれたときに説明できるよう、事前の周知をおすすめします。

最低賃金:令和7年度改定の一部は2026年に発効

令和7年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,121円(引き上げ額66円・6.3%)で、最高は東京の1,226円、最低は高知・宮崎・沖縄の1,023円です。発効日は都道府県ごとに異なり、次の6県は2026年に入ってから発効します。

都道府県最低賃金時間額発効日
福島1,033円2026年1月1日
熊本1,034円2026年1月1日
大分1,035円2026年1月1日
徳島1,046円2026年1月1日
群馬1,063円2026年3月1日
秋田1,031円2026年3月31日

この改定で全都道府県が時給1,016円を超えたことが、前述の賃金要件(106万円の壁)撤廃予定の前提になっています。令和8年度の改定額は、例年どおりであれば夏の目安答申を経て秋以降に都道府県ごとに決定・発効される見込みで、本ページの最終確認日時点では収載していません。時給が上がると残業代の単価も変わります。概算は残業代計算機で確認できます。

育児・介護休業法:2026年に新たな施行はなし

改正育児・介護休業法の施行は2025年4月1日と2025年10月1日の2段階で、2026年に新たに施行される段階はありません(2026年7月9日確認)。柔軟な働き方を実現するための措置や個別の意向聴取・配慮など、2025年施行分への対応が済んでいるかの点検が2026年の実務です。給付の中身は育児・介護休業給付ガイドで解説しています。

2025年施行分への対応は、育児・介護休業法改正まとめ(2025年4月・10月に中小企業がやること)柔軟な働き方措置の選び方と導入手順個別周知・意向確認のやり方で確認できます。

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よくある質問

106万円の壁はいつなくなりますか?

賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)は、令和7年年金制度改正法にもとづき2026年10月に撤廃される予定です。撤廃後も、週の所定労働時間20時間以上・学生でないことなどの要件は残るため、「週20時間の壁」は続きます。

従業員51人未満の会社でも、パートの社会保険加入は義務になりますか?

企業規模要件は2026年には変わりません。2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上へ段階的に縮小され、2035年10月に撤廃される予定です。要件を満たさない企業でも、従業員の2分の1以上の同意があれば任意加入できます。

カスハラ対策の義務化はいつからですか?中小企業も対象ですか?

2026年(令和8年)10月1日からです。対象は労働者を雇用するすべての事業主で、中小企業への猶予期間はありません。何をすればよいかは厚生労働省の指針が定める10の措置が拠り所になります。

2026年4月から給与から引かれる「子ども・子育て支援金」とは何ですか?

少子化対策の財源として医療保険料と併せて徴収される拠出金です。被用者保険では2026年4月分の保険料から始まり(5月の給与天引きから)、2026年度の支援金率は一律0.23%、支援金額の半分は事業主が負担します。

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出典(官公庁の一次情報・いずれも2026年7月9日に確認)
  1. 厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html
  2. 厚生労働省リーフレット「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」(PDF)
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662576.pdf
  3. 厚生労働省「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律の概要」(PDF)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001502748.pdf
  4. e-Gov法令検索「労働施策総合推進法」(令和8年10月1日施行版の条文)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132
  5. 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
    https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html
  6. 厚生労働省リーフレット「短時間労働者の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入拡大のポイント」(PDF・令和8年1月作成)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001633788.pdf
  7. 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html
  8. 厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」(PDF)
    https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001571192.pdf
  9. 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html
  10. こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
    https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido
  11. 厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」(PDF)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf
  12. 厚生労働省 広報誌『厚生労働』「女性活躍の更なる推進に向けて 女性活躍推進法改正で何が変わる?」
    https://www.mhlw.go.jp/web_magazine/series/20260220.html
  13. 厚生労働省「育児・介護休業法について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

本文中の施行日・数値の記述は、上記の法令条文および官公庁の公表資料にもとづいています。「予定」と記載した項目は、確認日時点で施行日を定める政令等が未確定のものです。

※このページは、制度の一般的な仕組みを解説する情報提供を目的としています。施行日や数値は、政令・告示・審議会の答申などにより今後変わることがあります。最新の正確な情報は、厚生労働省・日本年金機構・こども家庭庁・都道府県労働局にご確認ください。当サイトは社会保険労務士による個別の相談・書類作成代行を提供するものではありません。