中小企業向け 就業規則(モデル・記載例)
第1章 総則
第1条(目的)
この規則は、〔株式会社○○〕(以下「会社」という。)の従業員の労働条件、服務規律その他の就業に関する事項を定めるものです。この規則および付随する諸規程に定めのない事項については、労働基準法その他の法令の定めるところによります。
第2条(適用範囲)
1. この規則は、会社の従業員に適用します。
2. パートタイム従業員、有期契約従業員等の就業に関し、別に定める規程がある場合は、その規程によります。別段の定めがない事項は、この規則によります。
第3条(規則の遵守)
会社および従業員は、この規則を守り、互いに協力して良好な職場環境の維持と業務の円滑な運営に努めます。
第2章 採用・異動
第4条(採用手続)
会社は、就職を希望する者の中から選考を行い、採用します。選考にあたり、応募者には次の書類の提出を求めることがあります。
- 履歴書(提出日前〔3〕か月以内の写真を貼付したもの)
- 職務経歴書
- その他会社が指定する書類
第5条(採用時の提出書類)
採用された者は、入社日から〔2週間〕以内に次の書類を提出します。事情により提出が難しい場合は、あらかじめ会社に申し出てください。
- 誓約書
- 住民票記載事項証明書
- マイナンバーの確認に必要な書類
- 給与所得者の扶養控除等申告書
- 源泉徴収票(暦年内に前職がある場合)
- 年金手帳または基礎年金番号の確認できる書類、雇用保険被保険者証(所持している場合)
- その他会社が必要と認める書類
第6条(労働条件の明示)
会社は、従業員の採用にあたり、採用時の賃金、就業場所、従事する業務、労働時間、休日その他の労働条件を、書面の交付または従業員が希望した場合は電子メール等の方法により明示します。
第7条(試用期間)
1. 新たに採用した者については、採用の日から〔3〕か月間を試用期間とします。会社が必要と認めるときは、試用期間を短縮し、または延長することがあります。
2. 試用期間中または試用期間満了時に、従業員として不適格と認められる客観的な事由があり、引き続き雇用することが難しいと判断された場合は、本採用を行わないことがあります。
3. 試用期間は、勤続年数に通算します。
第8条(人事異動)
1. 会社は、業務上の必要があるときは、従業員に対し、職場の変更、職務の変更、転勤、出向等を命じることがあります。
2. 前項の命令を受けた従業員は、正当な理由がない限りこれに従うものとします。会社は、命令にあたり従業員の事情に配慮します。
第3章 服務規律
第9条(服務の心得)
従業員は、次の事項を守り、誠実に職務を遂行します。
- 会社の指示命令に従い、自己の業務に専念すること
- 職務上知り得た会社・取引先・顧客の秘密や個人情報を、在職中・退職後を問わず漏らさないこと
- 会社の施設・設備・備品・情報機器を業務目的に限り使用し、大切に取り扱うこと
- 職場の整理整頓に努め、安全衛生に関する指示を守ること
- 会社の信用・名誉を損なう行為をしないこと
- 許可なく会社の物品・金銭を持ち出さないこと
- 業務上の地位や立場を私的な利益のために用いないこと
第10条(遅刻・早退・欠勤等)
1. 従業員が遅刻、早退、欠勤をし、または勤務時間中に私用で外出するときは、事前に所定の方法で会社に届け出て承認を受けてください。やむを得ず事前に届け出ができなかった場合は、事後すみやかに届け出るものとします。
2. 傷病により〔3〕日以上欠勤するときは、会社は医師の診断書の提出を求めることがあります。
第11条(ハラスメントの禁止)
1. 性的な言動による嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)、職場での優越的な関係を背景とした言動による嫌がらせ(パワーハラスメント)、妊娠・出産・育児・介護に関する言動による嫌がらせ(マタニティハラスメント等)その他のハラスメントは、これを行ってはなりません。
2. 会社は、ハラスメントに関する相談窓口を設け、相談・苦情に応じ、事実確認のうえ適切に対応します。相談したこと等を理由に不利益な取扱いはしません。
3. ハラスメントの防止に関する詳細は、別に定めるハラスメント防止規程によります。
第4章 労働時間・休憩・休日
第12条(所定労働時間および休憩)
1. 所定労働時間は、1日〔8〕時間、1週間〔40〕時間とします。
2. 始業・終業の時刻および休憩時間は、次のとおりとします。
始業 午前〔9〕時〔00〕分/終業 午後〔6〕時〔00〕分/休憩 午後〔0〕時から午後〔1〕時まで〔60〕分
3. 業務の都合その他必要がある場合は、始業・終業・休憩の時刻を繰り上げ、または繰り下げることがあります。
第13条(休日)
1. 休日は、次のとおりとします。
- 土曜日および日曜日
- 国民の祝日
- 年末年始(〔12月29日から1月3日まで〕)
- その他会社が定める日
2. 業務の都合により必要がある場合は、あらかじめ前項の休日を他の日に振り替えることがあります。
第14条(時間外労働および休日労働)
1. 業務の都合により、第12条の所定労働時間を超え、または第13条の休日に労働させることがあります。
2. 法定労働時間を超える時間外労働、および法定休日における労働を行わせる場合は、あらかじめ労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)を締結し、労働基準監督署へ届け出ます。時間外労働は、法令および36協定で定める限度の範囲内とします。
3. 満18歳未満の者、および法令により制限のある者については、時間外労働・休日労働・深夜労働を法令の範囲内で取り扱います。
第15条(割増賃金の原則)
時間外労働、休日労働、深夜労働を行わせた場合は、第6章の定めにより割増賃金を支払います。
第5章 休暇
第16条(年次有給休暇)
1. 採用日から起算して6か月間継続して勤務し、所定労働日の8割以上を出勤した従業員には、10日の年次有給休暇を付与します。その後は、勤続年数に応じて次の表のとおり付与します。
| 継続勤務年数 | 6か月 | 1年6か月 | 2年6か月 | 3年6か月 | 4年6か月 | 5年6か月 | 6年6か月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
2. 週の所定労働日数が少ない従業員(パートタイム従業員等)には、その所定労働日数等に応じて、法令の定めにより日数を比例付与します。
3. 年次有給休暇は、従業員が請求する時季に与えます。ただし、請求された時季に休暇を与えると事業の正常な運営に支障がある場合は、他の時季に変更することがあります。
4. 年次有給休暇が10日以上付与される従業員に対しては、付与した日から1年以内に、そのうち5日について、会社が従業員の意見を聴いたうえで時季を指定して取得させます。従業員がすでに請求・取得した日数および計画的に付与した日数は、この5日から差し引きます。
5. 当該年度に取得しなかった年次有給休暇は、翌年度に限り繰り越すことができます。
第17条(産前産後の休業)
1. 6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性従業員が請求したときは、産前休業を与えます。
2. 産後8週間を経過しない女性従業員は就業させません。ただし、産後6週間を経過した女性従業員が請求し、医師が支障がないと認めた業務には就かせることがあります。
第18条(育児休業・介護休業等)
1. 従業員のうち必要な要件を満たす者は、育児・介護休業法に基づき、育児休業、介護休業、子の看護等休暇、介護休暇、育児・介護のための所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置等の適用を受けることができます。
2. 育児・介護休業法の2025年に施行された改正に対応し、会社は次の取扱いを行います。具体的な対象範囲・手続・施行時期は、現行の法令および別に定める育児・介護休業規程によります。
- 子を養育する従業員が仕事と育児を両立できるよう、柔軟な働き方を可能にするための措置を整備し、その措置の中から従業員が選択できるようにします。
- 所定外労働(残業)の免除を請求できる対象を、法令の定めに従って拡大します。
- 妊娠・出産の申出をした従業員や、子を養育する従業員に対し、両立支援制度等に関する情報提供および仕事と育児の両立に関する意向の確認を行います。
- 育児休業の取得状況等について、法令で求められる範囲で把握・対応します。
3. これらの制度の対象者、申出の手続、休業期間、賃金の取扱い等の詳細は、別に定める育児・介護休業規程によります。
第19条(子の看護等休暇・介護休暇)
1. 小学校3年生修了までの子等を養育する従業員は、育児・介護休業法および会社の定めにより、子の看護等のための休暇を取得することができます(対象範囲は現行の法令をご確認ください)。
2. 要介護状態にある家族の介護等を行う従業員は、育児・介護休業法および会社の定めにより、介護のための休暇を取得することができます。
3. 取得できる日数、時間単位での取得の可否、対象となる事由等は、現行の法令および別に定める規程によります。
第20条(生理日の就業が著しく困難な場合の休暇)
生理日の就業が著しく困難な女性従業員が請求したときは、必要な日数または時間の休暇を与えます。
第21条(その他の休暇)
慶弔休暇、裁判員等のための休暇その他の特別休暇については、別に定めるところによります。これらの休暇中の賃金の取扱いは、〔有給/無給〕とし、その詳細は別途定めます。
第6章 賃金
第22条(賃金の構成)
賃金の構成は、次のとおりとします。詳細は別に定める賃金規程によります。
基本給/〔役職手当〕/〔家族手当〕/〔通勤手当〕/〔住宅手当〕/時間外労働・休日労働・深夜労働に対する割増賃金
第23条(賃金の計算期間および支払日)
1. 賃金は、毎月〔末日〕に締め切って計算し、翌月〔25日〕に支払います。支払日が休日にあたる場合は、その〔前日〕に繰り上げて支払います。
2. 賃金は、通貨で直接従業員にその全額を支払います。ただし、従業員が同意した場合は、本人が指定する金融機関の口座への振込みにより支払います。
3. 次のものは、法令または労使協定に基づき賃金から控除します。
① 源泉所得税 ② 住民税 ③ 社会保険料および雇用保険料の被保険者負担分 ④ その他労使協定で定めたもの
第24条(割増賃金)
1. 時間外労働、休日労働、深夜労働に対しては、次の割増率により計算した割増賃金を支払います。
- 法定労働時間を超える時間外労働 通常の賃金の2割5分(25%)以上
- 1か月の時間外労働が60時間を超えた場合の、その超えた部分 通常の賃金の5割(50%)以上
- 深夜(午後10時から午前5時まで)の労働 通常の賃金の2割5分(25%)以上
- 法定休日の労働 通常の賃金の3割5分(35%)以上
2. 時間外労働が深夜に及んだ場合等、複数に該当する場合は、それぞれの割増率を合算して計算します。
3. 割増賃金の算定の基礎となる賃金には、法令で除外が認められているものを除き、所定の手当を含めます。
第25条(欠勤・遅刻・早退等の取扱い)
従業員が欠勤、遅刻、早退または私用外出により所定労働時間の一部または全部を勤務しなかった場合は、その不就労分について、別に定める計算方法により賃金を控除することがあります。
第26条(昇給)
昇給は、会社の業績および従業員の勤務成績等を考慮して、原則として年〔1〕回、〔4〕月に行うことがあります。ただし、会社の業績の状況等により、時期を変更し、または行わないことがあります。
第27条(賞与)
賞与は、会社の業績および従業員の勤務成績等を考慮して、〔7月〕および〔12月〕に支給することがあります。ただし、会社の業績の状況等により、支給時期を変更し、または支給しないことがあります。支給対象者の範囲その他の詳細は、別に定めるところによります。
第7章 退職・解雇
第28条(退職)
1. 従業員が次のいずれかに該当するときは、退職とし、その事由が生じた日に従業員としての身分を失います。
- 本人が退職を願い出て会社が承認したとき、または退職願を提出して〔14日〕を経過したとき
- 期間を定めて雇用された場合に、その期間が満了したとき(更新された場合を除く)
- 死亡したとき
- 定年に達したとき
2. 従業員が退職するときは、業務の引継ぎを完了し、会社から貸与された物品等を返還してください。
第29条(定年および高年齢者の雇用確保)
1. 従業員の定年は満〔60〕歳とし、定年に達した日の属する〔月の末日〕に退職とします。
2. 定年後も引き続き雇用を希望する従業員については、高年齢者雇用安定法の定めに基づき、原則として65歳まで、継続雇用制度により再雇用します。再雇用後の労働条件は、別に定めるところによります。
第30条(普通解雇)
1. 従業員が次のいずれかに該当するときは、解雇することがあります。
- 勤務成績または業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できないとき
- 心身の故障により業務に堪えられず、回復の見込みがないと認められるとき
- 事業の縮小その他やむを得ない業務上の都合があるとき
- その他前各号に準じるやむを得ない事由があるとき
2. 会社は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は行いません。
第31条(解雇の予告)
1. 前条により従業員を解雇する場合は、少なくとも30日前に予告するか、または予告に代えて30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払います。予告日数は、解雇予告手当を支払った日数だけ短縮することができます。
2. 次のいずれかに該当する場合で、所定の手続を経たときは、前項によらないことがあります。
① 天災事変その他やむを得ない事由により事業の継続が不可能となった場合
② 従業員の責めに帰すべき事由により解雇する場合
3. 法令で予告を要しないとされる試用期間中の者等については、法令の定めによります。
第32条(退職金)
退職金制度を設ける場合は、その支給対象者、計算方法、支払時期等を別に定める退職金規程によります。
第8章 安全衛生・災害補償
第33条(健康診断)
1. 会社は、従業員に対し、採用時および毎年1回(法令で定める業務に従事する者には、その定めにより)、医師による健康診断を行います。
2. 従業員は、正当な理由がない限り、会社が行う健康診断を受けてください。健康診断の結果に基づき、会社は必要な措置を講じることがあります。
第34条(ストレスチェック)
会社は、法令の定めに従い、従業員に対する心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を実施し、その結果に応じて必要な措置を講じます。
第35条(安全衛生の心得)
従業員は、安全衛生に関する法令および会社の指示を守り、災害の防止と健康の保持に努めてください。
第36条(災害補償)
従業員が業務上または通勤途上の事由により負傷し、疾病にかかり、または死亡した場合は、労働者災害補償保険法(労災保険)の定めるところにより必要な補償を受けられるよう取り扱います。
第9章 表彰・制裁
第37条(表彰)
会社は、従業員が次のいずれかに該当するときは、その都度審査のうえ表彰することがあります。
- 業務上有益な改善・工夫を行い、会社の業績に貢献したとき
- 永年にわたり誠実に勤務し、その勤務成績が他の模範となるとき
- 災害を未然に防止し、または非常時に適切な対応をして被害を軽減したとき
- その他前各号に準じる善行または功労があったとき
第38条(懲戒の種類)
会社は、従業員が次条に該当するときは、その情状に応じ、次の区分により懲戒を行います。
- けん責 始末書を提出させ、将来を戒める
- 減給 始末書を提出させ、減給する。ただし、1回の額が平均賃金の1日分の半額を、また総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えない範囲とする
- 出勤停止 始末書を提出させ、〔7〕日以内の出勤停止を命じ、その期間の賃金は支払わない
- 懲戒解雇 予告期間を設けず、または予告手当を支払わずに即時解雇する。この場合、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたときは、解雇予告手当を支払わない
第39条(懲戒の事由)
1. 従業員が次のいずれかに該当するときは、情状に応じて、けん責、減給または出勤停止とします。
- 正当な理由なく欠勤・遅刻・早退を繰り返し、改善の見込みがないとき
- 正当な理由なく業務上の指示・命令に従わないとき
- 過失により会社に損害を与えたとき
- この規則および諸規程に違反したとき
- 第11条のハラスメントに該当する行為を行ったとき(情状により次項とすることがある)
2. 従業員が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とします。ただし、情状によりけん責、減給、出勤停止または普通解雇にとどめることがあります。
- 重要な経歴を偽って採用されたとき
- 正当な理由なく無断欠勤が〔2週間〕以上に及び、出勤の督促に応じないとき
- 会社の金品を横領・窃取し、または背任行為を行ったとき
- 故意または重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき
- 職務上の地位を利用して重大なハラスメントを行ったとき
- 刑罰法規に触れる行為を行い、会社の信用を著しく失墜させたとき
- その他前各号に準じる重大な違反行為があったとき
第10章 附則
第40条(解釈・疑義)
この規則の解釈に疑義が生じた場合、またはこの規則に定めのない事項については、労働基準法その他の法令の趣旨に従い、会社が従業員と協議のうえ取り扱います。
第41条(規則の改廃)
この規則を変更する場合は、法令の定めに従い、労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたうえで行い、変更後はすみやかに従業員へ周知します。
第42条(施行)
この規則は、〔令和○年○月○日〕から施行します。