🧭 解説ガイド

130万円の壁はなくならない
106万撤廃と扶養の関係

106万円の壁が撤廃されても、130万円の壁(扶養の基準)は残ります。2つの壁と税金の壁の関係を整理し、自分や自社にどう影響するかを見ていきます。

最終確認日:2026年7月9日(106万円の壁「撤廃」とは106万・130万の壁とはで確認済みの一次情報にもとづく)

「106万円の壁が撤廃される」というニュースを見て、「130万円の壁もそのうちなくなるのでは」と考える人が少なくありません。ですがこの2つは別の制度で、撤廃の対象になっているのは106万円の壁だけです。混同しやすいポイントを、関係図で整理します。

106万円と130万円は「別の制度」

106万・130万の壁とはで整理したとおり、この2つはどちらも社会保険の壁ですが、判定される場面が異なります。

何を判定するか2026年10月以降
106万円の壁自分の勤務先で社会保険に加入するかどうか賃金要件(月額8.8万円)が撤廃予定
130万円の壁家族の社会保険の扶養から外れるかどうか変更なし。そのまま残る

106万円の壁は「勤務先の入口」、130万円の壁は「家族の扶養の出口」というイメージです。今回撤廃予定なのは106万円の壁を作っていた5つの要件のうち賃金要件だけで、130万円の壁の基準自体は令和7年年金制度改正法の対象になっていません。

混同が起きやすい理由

106万円と130万円が同じ話として語られやすいのは、どちらも社会保険(健康保険・厚生年金)に関わる年収の目安で、数字も近く、まとめて「年収の壁」と報道されることが多いためです。しかし、106万円は勤務先での加入基準、130万円は扶養から外れる基準という、判定の入口が違う制度です。片方が変わっても、もう片方の基準がそのまま変わるとは限りません。

4つの壁の関係図

社会保険の壁(106万・130万)と、税金の壁(123万・160万程度)をあわせると、2026年時点では次のような状態になります。税金側の数値は2025年の税制改正で既に確定しているものです。

系統状態
106万円の壁(賃金要件)社会保険(勤務先で加入)2026年10月に撤廃予定
130万円の壁社会保険(扶養から外れる)変更なし。存続
123万円の壁(扶養に入れる側の所得要件)税金(扶養の判定)2025年改正で103万円から変更済み
おおむね160万円程度(本人の所得税)税金(本人の所得税)2025年改正で基礎控除見直し済み
2026年10月に動くのは表の1行目(106万円の賃金要件)だけです。130万円・123万円・160万円程度のラインはすでに確定している別の話で、106万円の壁の撤廃をきっかけに一緒に動くわけではありません。

自分の場合はどう影響するか(パターン別)

106万円の壁の撤廃が、130万円の壁にどう波及するかは、今の働き方によって変わります。

いずれのパターンでも、130万円の壁(扶養から外れる基準)自体が動くわけではない点は共通しています。動くのは「勤務先の社会保険に入るかどうか」の判定ラインだけです。

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よくある質問

106万円の壁が撤廃されたら130万円の壁もなくなりますか?

なりません。106万円の壁は自分の勤務先で社会保険に加入する基準、130万円の壁は家族の扶養から外れるかどうかの基準で、別の制度です。2026年10月に撤廃予定なのは106万円の壁の賃金要件だけです。

なぜ106万と130万が同じ話のように混同されるのですか?

どちらも社会保険に関わる年収の目安で数字が近く、まとめて「年収の壁」と報道されることが多いためです。しかし106万円は勤務先での加入基準、130万円は扶養から外れる基準と、判定される場面が異なります。

106万円の壁が撤廃されると、扶養から外れる人は増えますか?

106万円の壁の撤廃だけを理由に扶養から外れる人が増えるわけではありません。ただし、賃金要件の撤廃で勤務先の社会保険に新たに加入する人が増えると、その結果として扶養の対象から外れる人が増える可能性はあります。

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出典(一次情報・いずれも2026年7月9日に確認)
  1. 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」(賃金要件撤廃の対象範囲・130万円の壁が対象外である点)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html
  2. 厚生労働省「『年収の壁』への対応」(106万円・130万円の役割の違い)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
  3. 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(106万円の壁の5要件)
    https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html

106万円・130万円の壁の役割の違い、撤廃の対象範囲は上記の一次情報にもとづいています。税金側の123万円・160万円程度の数値は、当サイトの106万・130万の壁とは2025年の税制改正にもとづく既存の解説と同一の出典で確認済みです。

※本記事は、制度をわかりやすく解説することを目的とした一般的な情報提供です。扶養の判定・社会保険加入の当てはめは、個別の収入額や勤務先の状況によって変わることがあります。最新の正確な情報は、日本年金機構・勤務先・年金事務所にご確認ください。当サイトは社会保険労務士による個別の相談・書類作成代行を提供するものではありません。